OM SYSTEM OM-1
先週の関西出張に持って行ったOM-1。
やっぱり「旅行」ではなく「出張」だった為、思ったより写真を撮れなかったのですが、土曜日・日曜日でスナップを楽しめました。
そこで、OM-1を使ってみた感想を簡単にまとめてみたいと思います。
ハイライトについて
どうもハイライト側の階調が弱いと思っていましたが、RAWで現像すると意外と粘っているなと思いました。
例えば、下の写真は背面モニターで見ている時は「あぁ、白飛びしているなぁ」と思いましたがパソコンで見ると意外と粘っているなと思いましたし、RAWのハイライトを弄るとある程度復活しました。
以下の写真は明暗差が大きすぎて、ハイライト・シャドー側どちらも潰れ気味だと思っていましたが、パソコンで見たりRAWを弄ってみたら、まぁ思ったよりマシでした。
まぁ、太陽そのものが飛んでいるのは当然なので、その他部分はある程度復活。
撮影後に背面モニターで見ると残念な感じでも、データとしてはあまり白飛びせずにハイライト側が粘ることがわかりました。
ただ、ハイライト側に明るさを合わせると、シャドー側はあまり粘らないのかな・・・。その結果なのか、特に上の写真のような太陽を入れ込んだ場合、少し色のりが悪い印象を持っていました。
その他 画質について
色のりって言うのですかね・・・。なんて言うのかな、表現しにくいのですが個人的にはフルサイズとの差を感じるところではあります。
上の写真は、ほぼ同じ時間帯にOM-1とEOS R8で撮った写真です(どっちもJpeg)。
レンズの画角も、撮っている場所も全部ちがうので比較材料としては適切ではありませんが・・・
「色のり」って、濃厚な色表現とか、色の再現性が高いという時に使われる言葉と理解していますが、一方、暖色系が強くでているときに発色に厚みがあると感じやすいだけとも言われていて・・・。だから、画像処理エンジンの傾向の差だけかもしれません。
しかし、ダイナミックレンジの差なのか、それとも色の表現力なのか、まだ私自身ピンと来ていないのですが、表現力の差というものは確かにあって、正直センサーサイズを感じるところではあります。
上の写真をスマホとかで見てもあまり変わらないと感じるカモですが、もしここに差異を感じる人であればAPS-Cかフルサイズのカメラの方が適していると思います。
あ、高感度耐性とかは正直言わずもかな、なので敢えて記載しません。
それに今はPureRAWとかのノイズ除去機能を使えば殆ど問題にならないですからね。
機動性について
ここは、正直最近はあまりアドバンテージが無くなってきているのですが・・・。
ただ、望遠域ではマイクロフォーサーズとフルサイズでは、まだまだ圧倒的な差があります。
ですから、望遠域を多用する鳥撮りとかで、且つフットワーク軽く行きたいという時にはやっぱりマイクロフォーサーズ機であるOM-1に大きなアドバンテージがあると感じます。
シグマのフルサイズ用レンズの流用と思しきM.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 ISでも、いざ使ってみるとやっぱり便利ですし、2倍テレコンつけて1600mmが撮れるシステムとして考えると、これだけ小型軽量なものは流石にまだまだフルサイズでは実現できないと思います(1600mmを実現はできるだろうけど、かなり重く大きくなりますよね)。
特に、今はソフトウェアで高感度ノイズについてはある程度克服できるので、鳥撮りには凄く適したフォーマットだと思います(ただ、上の一連の写真はJpeg)。
また、鳥撮りでは一つの被写体(鳥)を大きくとらえるので、色の領域やDRも限定的になると思われ、あまり「色のり」についても気になる事はありません。むしろOM-1の少し線の太い描写が鳥さんをハッキリさせるのにピッタリな気がします。
AF・連写について
色々言われているOM-1の認識系AFですが、私は比較的快適に使っています・・・そもそも上手く使えていないし(汗)、まだまだ使いこなせてすらいないのですが。
そんなに撮影技術が無い私でも、ある程度の写真が撮れるのはOM-1の高速な連写性能や元祖プリ連写「プロキャプチャー」の機能のおかげ。認識系AFも特に優秀では無いものの、もともと枝の先の先にいる鳥とかはそんなにうまくとらえられないので、現状のAFでも(素人の私にとっては)まぁ十分かと思っています。これ以上の機能の向上より、自身の撮影技術と経験の積み重ねが必要だと思えるので、自分にとっては必要十分です。
防塵防滴について
このポイントが優れていることは周知の事実だと思いますが、個人的にはあまり気になっていないというか、そんな過酷な環境でカメラ使わないのであまりありがたみを感じません。
まぁ、安心感はありますけど、オリンパスの防水性能のテスト画像みたいなシチュエーションだったらカメラより先に私の心が折れそう・・・。
それに、普通の小雨程度だったらEOS R10でも十分でしたからね。ありがたい性能ではありますが、本当にその性能を活用する機会は稀かと思っています(それで良いのだ)。
手振れ補正について
昔から既に十分に強力だった手振れ補正は、今もなお健在だと感じました。
お陰で、手持ちの長秒露光が簡単に出来るので、夜の街なら人やテールライトをブラして遊ぶのが楽しい楽しい。
今はフルサイズでも強力な手振れ補正を持つ機種が沢山出てきていますが、明るいレンズでも軽いマイクロフォーサーズは、この手の撮影では大いにアドバンテージがあると感じています。
画質が問題にならない撮影ジャンルなら、優れたマルチプレーヤー
やっぱりレンズのサイズ感・重量感ではアドバンテージがあるマイクロフォーサーズ。一台のカメラに複数のレンズを持って行動するなどの場合、フットワークの軽さを実感できることは事実だなぁ、と、大阪出張に単焦点と望遠レンズも持って行った(殆ど使わなかったケド)際にも実感できました。
それに、連写やプロキャプチャー・優れたAFなど、動体撮影の対応力も凄いし、手振れ補正は強力、防塵防滴で雨も気にならない、比較的軽いので街のスナップもこなせる、本当にマルチプレーヤーだなぁ、と実感しています。
たま~に、画質に関して物足りなさを感じることも正直ありますが、そこが気にならなければ凄く良いカメラ。
逆に、OM-1が得意とする撮影ジャンルがあって、そのジャンルだと画質が気にならないと思っています。突き詰めると違うと思うのですが、私のレベルでは鳥撮りとか長病露光とかはOM-1だからこそ、のジャンルです。
ほんとうは、もう少し軽いとマルチプレーヤーっぷりが一層際立つ、画質の差を賄える機動性を得れると思うんです。だから400g台のOM-5とかGX7のサイズ感がマイクロフォーサーズのストライクゾーンだと思うんですよね。
500g超えてくると、優れたAPS-C機がマーケットにはありますから、マイクロフォーサーズは400g台で超絶凄い機能を揃えたカメラが欲しいところ。
SONYはAPS-C用レンズも比較的豊富ですし、AF・手振れ補正など非常に優秀なカメラがあり、レンズ資産がまだ少ないEOS系でも、R10なんて軽さは429gですから。
それに、フルサイズも小型・軽量化がレンズも含めかなり進んでいますからね…(R8は460gですから)。
それでも、OM-1にはOM-1の良さがあるな、と実感できています。
MarkⅡが出ましたが、その分お安くなってきているOM-1は今こそが「旬」なカメラなのかも知れません。そして、OM-1はきっと旬を過ぎても(色々独特の癖のあるカメラですが、その分余計に)楽しめるカメラなんでしょうね。
(つづく)