2023年10月に行った、谷川岳からの縦走さんぽ。
前回まで、気持ちの良い稜線歩きを堪能していましたが、今回で下山します。
下山してから、思いがけない事が・・・
(前回までの記事はこちら)
記録の写真:谷川岳~一ノ倉岳~茂倉岳③
一ノ倉岳を出発し、ボーナスステージと呼ばれる?茂倉岳までの縦走区間をあるきだしました。
うーん、何とも気持ちの良い道です。
シングルトラックですが、状態は良く歩きやすい。
途中、傘をさしてお茶をしているお二人の方が居ました。
こんな山の上で、日傘をさして休憩だなんて、とってもオシャレ。
写真に撮ったら、絶対に良い画になりそうでしたが、声がけして お邪魔するのもためらわれたため、そのまま通過。
万太郎山方面が凄く綺麗に見えます。
いつか、あっちの稜線も歩いてみたいな。
この日は風もなく穏やかな稜線をあるくのの、なんと気持ちの良い事か。
向こうに見えるは茂倉岳かな?
谷川岳までは沢山いた人が、こっちではチラホラと見かけるだけ。
非常に長閑です。
来た道を振り返って。
笹?が覆う山肌がとっても穏やかな気持ちにさせてくれる。
いやぁ、笹、好き(パンダか?)。
のんびり休憩する人も。リラックスできていい場所ですよね~。
ついつい、同じような写真を沢山撮ってしまいました。
それほど気持ちが良い。
更に先で休憩している人は、谷川岳で写真を撮ってもらって、撮ってあげた人たちだ。
ここまで来てたんですね~。
行く道と。
来た道。
どっちも綺麗。
ほんと、ボーナスステージとは良く言ったものだ。もう、同じような景色の写真を何枚も撮っているケド(現地にいるときは)全然飽きないです。
そうしみじみ感じていると・・・
茂倉岳に到着。
こちらで私も少し休憩。
来た道と。
行く道。
さぁ、ここからは標高を下げて土樽駅に向かっていく道。
「帰る」を意識すると、何だか気分が変わってきます。
なんというか、「もう終わりかぁ」という寂しいような気持と、
「さぁ、もうすぐで下山かぁ」という、疲れた自分に「あとちょっとだよ」という様な気持ちと・・・。
・・・ん? 「疲れた自分」?
疲れているのかな? あまり自覚してない時って、実はかなり疲れているんですよね。
金曜日の仕事の疲れが抜けていないのかな。
しかし・・・
景色が良いものだから、疲れも忘れ(たような気になり)ます。
先行するかたも、思わず山に向かって万歳!
(実際はノビしていただけ)
太陽も輝き、本当にいい道だ。
視界の先に、町というか人工物が見えてきました。
恐らく右側の川?道路の方が土樽駅方向だな、と思いながら歩きだします。
そもそも谷川岳までロープウェイで登ったので、「登る」は今回少なくて、比較的フラットな道を徐々に標高を下げてくるようなコースでした。
そしてここからは、実際に「下る」のオンパレードになります。
来た道を振り返る。
茂倉岳避難小屋
他の方向に下る道もあり、この辺りの道はどれも気持ちよさそうで、あっちにも行って見たいな、こっちにもいってみたいなと思います。
とは言え、泊りの装備も持っていないし電車で帰らないとなので、予定通りのコースを進みます。
・・・なんですが、この茂倉岳からの下りが思ったより距離がある。そして(当然ですが)下りばかり。
まぁ、「下山」するから当然なのですが、今回「登った」感があまり無かったので「下っている」感がハンパない。
目的地と思しきエリア(右上の道路が走っていそうなあたり)はわかるのですが、何だかいっこうにたどり着きません。
なんて、やっていると「矢場の頭」に到着。
これも名前の由来がいまだにわかりません。
登っていた時はここについたら、何故か有名な名古屋のとんかつ屋「矢場とん」が浮かんできて、しばらく頭から離れませんでした。
うわー、味噌カツ食べたくなってきたわ。
カレーも食べたくなってきたし。矢場とん、カレー、矢場とん、カレー、矢場とん・・・
徐々に標高も下がってきて・・・
陽も少し傾いてきました。
草木が生い茂り、高くなってくる。
標高が下がってきた証拠です。
・・・で、ここから写真撮っていなかったのですが、このあたりから「茂倉新道登山口」までの道がメッチャしんどかったのです。
茂倉岳あたりで「疲れた」と感じていたのはやっぱり気のせいでは無かった様で、この辺りでは結構疲労感があったのですが、それより何よりコースが歩きにくかった。
木の根っこがバシバシ出ていて、さながら木の根っこの道を歩いている様なコースでして、元気だったらひょっとしたら楽しいのかもですが、疲れたときにはメッチャ鬱陶しいと感じる道でした。
茂倉岳までルンルンで歩いていた感じと、この木の根っこコースのギャップが激しくて、やたらと疲れてペースもがた落ちでした。そして、写真を撮る気力も無くなっていました。
まぁしかし、ゆっくりでも歩けば下に降りてくる。
無理せずユックリ。
登山口付近にこんな案内板が。
おお、
んー?
おおっ、確かに「木の根が露出し歩きにくい」とのお言葉通りでした!
ってか、先に行ってよ・・・。
とは言え、こうやって人里?に降りてくると、何とも言えない安心感というか不思議な気持ちを感じます。
あぁ、もう仮に元気がなくなっても大丈夫。
足が攣っても大丈夫。
食力が無くても大丈夫。
そうやってノンビリ歩いていると、谷川岳で写真を撮りあいっこしてくれた二人組の方が追い付いてきました。
「あぁ、お兄さん(と、双方とも呼べる歳ではなさそうですが)もコッチなんですね、車か何かですか?」
(私)あぁ、車はロープウェイの駐車場に置いてきて、土樽駅から電車で帰ろうかと思っているんです。
「えっ、そうなの? 電車来ないよ、ここ。」
(私)えっ、そうなんです? 一時間に一本とかなのかな?
「いやいや、結構こないよ、2時間ぐらい待つかも知れないね」
(私)えー、マジっすか?! まぁ、それならどっかで飯でも食って電車待ちますわ。
「いやー、あの駅の周りってなにもないよ? レストラン・・・自販機ぐらいはあるかなぁ」
(私)えーっ、そりゃ困ったけど、しょうがないかぁ
と、そんな会話をしました。
しかし、本当にそうなん? 田舎と言っても観光地、一時間に一本ぐらいは電車あると思っていたのに…。そして、駅があるんだから、食堂か何かあるでしょう…
そう思って、携帯の電波をON、Google Mapと乗換案内をチェックします。
・・・が、すれ違った登山者が言っていた通り、何と6時過ぎまで電車が無いじゃないですか!!(現在時刻 15時30分ぐらい)
まぁ、とりあえず駅まで行こう、駅に行けば何かあるかも。
元々、急ぐ旅ではありませんが、より一層急いでも仕方がなさそうなので、銅像を発見して近寄って見たり・・・。
山岳観光の発展に寄与された方だそうでした。
でもこの茂倉口周辺はあんまり賑やかじゃ無いなぁ・・・。
そういえば、矢場の頭あたりをトレランかな?と思うぐらいのスピードで降りていく登山者二人組を見たけど、あの人たちは とある時刻の電車に間に合うべく急いでいたのかなぁ、などと今になって思い出しながら電車の駅まで向かいます。
駅の近くにやって来ました。
駅前の駐車場?では、先ほど会話をした方々は車に乗り込み帰り支度をしています。
駅を見てみると、どうしたもんだか・・・と思案している先に到着していた登山者の方が3名ほど…。
そう、時計をみてもまだ2時間近くは時間があるのですよ。
そして、本当に自販機以外は何もないのですよ。
陽が暮れるにつれ、徐々に登山者が増えてきました。
ま、増えてきたと言っても大した人数ではありませんが。
ただ、私より遅く、陽が暮れてから来た人たちの方が電車の待ち時間は少ない。ひょっとして、計画的に今降りてきたのかな?
駅には、掲示物は多いが、食べ物などは何もなく
そして、駅の周りには、本当にレストラン等ありませんでした。
この、何も出来ない2時間を、神が与えてくれたギフトだと思えるような精神力の持ち主なら良かったのですが、私はなかなかそうは思えない。
実際は、2時間、何もしない時間があるなんて、とっても貴重な事なのに。
そういう時間を、ありがたく楽しまないと、勿体ないのに。
でも、「ここでただ待っているだけなんてもったいない」って思ってしまう小物っぷりを発揮して、色々考えました。
タクシーで土合まで戻ろうか(45分~50分ぐらいかかりそう、値段も高そう)。
さらに先の駅までにタクシーで行き、そこでご飯食べて待って、6時の電車に乗ろうか。それだな、それだとタクシーは10分~15分ぐらいだし、おなか減ったし。
・・・で、タクシーアプリGO!をダウンロードして登録して、タクシーを呼ぼうとしたら「サービスエリア外です」ってな表示が。
もう、流石に覚悟を決めました。
電車をまとう。
電車が到着。
この時間の到着を予め知っていたか、知らなかったかはいざ知らず、数名の登山者が電車に乗り込みます。
そして、土合駅に到着。
土合駅と言えば、スッゴクながい階段。
「よーし、折角だから階段往復だーっ!」
・・・と言うような気力と体力は当然なく、素直に駅を後にしようとします。
で、駅から出て、私は更に予想外の事態に遭遇します。
ん? ロープウェイは?
土合駅からロープウェイって、徒歩5分程度の距離じゃなかったっけ・・・?
土合駅からロープウェイって至近距離だと勝手に勘違いしていましたが、実際は徒歩20分以上の距離がありました。これ、勘違いしていました!
午後6時とは言え真っ暗、そして道に電灯も無いから本当にまっくら。
まさか、下山してからヘッデンつける事になるとは思いませんでした・・・。
ヘッドライトを点灯し、iPhoneの地図にナビさせながら20分以上の道のりを駐車場まであるきます。
こんなアクティビティは想定していなかったよ!
最後は、登山というよりは、見知らぬ土地をさまよっている様な気分になりながらロープウェイの駐車場に到着。
立体駐車場のフロアには、私の車だけがポツンと停まっていました。
車についたときは、嬉しかったなぁ。
今回、電車を使って縦走できる!という事実を発見して喜んで出かけましたが、よくよく考えたら、電車の時刻表も確認していなければ、電車から駐車場までのアクセスなども良く把握していませんでした(勘違いしていました・・・)。
ほんと、土樽駅に着いてからの時間が結構長くて印象的だった・・・
やっぱり、「事前の下調べ」というのは大切だな、と実感した谷川岳ハイキングでした。
(つづく)
PS.帰りの道すがら、高速のサービスエリアでカツカレーをタップリ食べました。